2013年12月、知人のラオス人が運転するSUVでラオスの首都ビエンチャンからヴァンヴィエンに日帰り旅行をしました。

これは、昼間の写真ですが、日没後、街灯がない真っ暗な道路でも、同じように家畜や農民たちは道路を歩いています。 photo by Phonpadith Xangsayarath

これは、昼間の写真ですが、日没後、街灯がない真っ暗な道路でも、同じように家畜や農民たちは道路を歩いています。
photo by Phonpadith Xangsayarath

 

首都ビエンチャンから郊外に走る道路が拡張され、以前は途中一泊しなければいかなかったヴァンヴィエンに片道4時間で行けるようになりました。欧米人に人気がある観光スポットであるヴァンヴィエン行きバスもビエンチャンからたくさん出ています。

しかし、道路が整備され、大型バスやトラックなどの交通量が急増する中、道路沿いの農民たちは、今まで通り農作業を終えると、街灯ひとつない真っ暗な道路をリヤカーで帰途につきます。山羊、牛などの家畜も、同じように道路を歩いています。

ラオスの首都ビエンチャンは、信号や駐車場がほとんどなく、道路は混沌状態です。 photo by Yoshimi Matsuo

ラオスの首都ビエンチャンは、信号や駐車場がほとんどなく、道路は混沌状態です。
photo by Yoshimi Matsuo

ラオス国内の交通事故に関する統計によると、2014年1月~5月までの交通事故発生件数 2635件、そのうち死者数532人負傷者4188人となっています。一国の交通事故発生件数としては、少なく思えるかもしれませんが、ラオス共和国の人口は約690万人。これは、千葉県の人口にほぼ匹敵すます。そして、2014年1月~5月までの千葉県下の交通事故に関する統計は、交通事故発生件数 7773件、そのうち死者数67人負傷者 9629人。つまり、死亡者数は千葉県の約8倍です。しかも、ラオス人は、争い事が嫌いで、交通事故も示談で解決することが多いので、実際の交通事故負傷者数は、もっと多いと考えられます。さらに、家畜が交通事故に遇った場合、農民たちは、自動車の修理代を支払わなければいけなくなると考え、事故に遇った家畜の飼い主はほとんど名乗り出ないそうです。

 

ラオスの交通の便がよくなればなるほど、道路沿いの農民たちは、今まで通りの生活ができなくなってきています。
NPO法人 Treasures of The Planet では、ラオスの農村の交通事故状況を調査し、農民や家畜に反射板を普及しながら、交通安全について教育していきたいと考えています。