私の周りのラオス好きな人たちの間では、今年11月21日に発売される村上春樹の「ラオスにいったい何があるというんですか?紀行文集」 の話題で盛り上がっています。
そこで、2013年12月初めてラオスに行って以来、すっかりラオスに魅了されている私と、ラオス人の知人、10数年間ラオスに通い続けている日本人研究者たちの体験をもとに、ラオスにはいっぱい何かがあることを記録していこうと思います。
ラオス人民民主共和国は、中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーに接する東南アジア唯一の内陸国です。日本の本州とほぼ同じ面積で人口約650万人。国土の約70%が山岳地帯で、49民族から構成され、約8700の村があると言われています。
東南アジアの中では、最貧国の一つと言われていますが、多くの人たちが農業を営み、雨季に稲作、乾期には野菜などを栽培し、しかもほとんど農薬を使っていなかったため、新鮮でおいしい食糧に恵まれ、貧しくても飢える人たちはほとんどいません。食べ物に困らないので、争い事も少なく、国民はのんびりゆったりしていて、あくせく働く人は少ないようです。
私がラオスに興味を持ったきっかけは、私が働く長崎大学熱帯医学研究所で、ラオス人研究者Dさんと知り合った事から始まります。明るく親切で頭の回転が速いDさんは、好奇心旺盛で新しい物が大好き。自宅のホームパーティーに招待すると、奥さん、子供を連れて遊びに来ました。熱帯医学研究所では、ラオス人の他、タイ、マリ共和国、ウガンダ、ネパール、ケニア、チュニジア、タンザニア、ガーナ、アフガニスタン、ベナンなどから来た研究者とも知り合いになり、彼らもとてもユニークで面白いのですが、私には、まだアフリカは航空運賃もハードルも高かったので、バンコクに住む友人に会いタイに旅行した時、軽い気持ちでラオスにも立ち寄る事にしました。
2013年12月5日、ラオスの首都ビエンチャンにあるワットタイ国際空港にタイ経由で到着。砂埃舞う地面に着陸したその先にみえるワットタイ国際空港の建物は、タイのスワンナブーム国際空港とは比べ物にならないほど地味で小さな建物で、空港内の飛行機数もまばら、周りには高層ビルはひとつもなく、まるで遠い過去にタイムスリップしたような気がしました。
しかし、かつて象が戦象として戦車の代わりに使われていた頃、ランサーン(100万の象)王国と呼ばれていたラオスには、私を魅了する不思議な「何か」 がありました。