今回は、青年海外協力隊に参加し医療隊員としてラオスに派遣されたことをきっかけにラオスへの興味をいっそう深め、任期終了後再びラオスに赴任し、現在はラオス中部で母子保健活動に携わっているAさんの活動内容を紹介します。
Aさんは現在、ラオス中部で母子保健プロジェクトに携わっています。具体的には5歳未満児とその母親の健康増進を目的にプロジェクトを実施しています。県や郡保健局職員と共に毎月、乳幼児の身長体重測定や妊婦健診を実施し母子の健康状態を把握すると共に、栄養状態の改善に向け「分かり易く・楽しく・興味が持てる」健康教育の実践にも努めてきました。その結果、5歳未満児の低体重児の割合の減少、妊婦健診参加率の増加といったいくつかの成果があがっています。
しかし、まだ課題も残っており古くからの伝統的しきたりや考え方が影響していたり、母親の教育レベルによる知識、認識、行動の差が残っており均等な改善となっていません。今後も引き続き、郡保健局を中心とした活動の継続が望まれます。
また、文化や言葉の異なるラオス人と仕事をすることは、仕事に対する考え方も異なり大変なことも多々あります。しかし彼らから学ぶことも多く、新しい価値観を知ることもあります。そして村では貧しい生活をしている住民も多いですが、彼らの心は豊かだと感じ、特に子どもたちの笑顔を見ていると沢山元気をもらいます。このように、私にとってラオスの人々と共に地域に根差した活動に携わっていることはとても貴重な経験となっています。
Aさんに、ラオスのどこに惹かれるのか聞きました。
「みんな家族の絆が強く家族を大切にしているところ、年配者を敬うところ、生きる力があるところ(例えば日本みたいに便利な物がなくてもあるもので工夫して何かをしたり作ったり出来るし、慣れてるということもありますが停電断水など、ちょっとのことでは動じません)・・などですかね。あとはラオス料理食べてビアラオ飲んで、のんびりする感じや、王道ですがメコン川に沈む夕日を見ながらビアラオを飲むのはいいですね。あとラオス人は急いでいても基本走らない(笑)本当によっぽどじゃないと。」
ラオス中部の町でお会いしたAさんは、ラオスの民族衣装シンを身にまとい自転車にのって颯爽と走ってきて、すっかりラオスの村に溶け込んでいるように見えました。ラオスには、今の日本が失いつつある人間らしさのようなものがたくさん溢れています。